どうして俺は今まで
この高い空を見なかったんだろう?
今やっとこれに気がついたのは、
じつになんという幸福だろう。
そうだ!
この無限の空以外のものは、みんな空だ、
みんな偽りだ。
トルストイ「戦争と平和」藤沼貴訳 岩波文庫
ときどきぼ-っと、空を見てみる。トルストイの「戦争と平和」の中で、アンドレイが傷ついて、大地に倒れ伏したとき、ふと目をあげると目に見えるのは空だけ。どんなに必死に頑張っても、どれだけ勝利をあげようとも、この大空を見るときに、自分が必死にしがみついていたことは何ものでもないことに気がつくのです。わたしたちが生きている人生の中で、どれだけ頑張ったとしても、どれだけ傷ついたとしても、どれだけ悩み苦しんでいたとしても、それさえどうでもよくなるときがあるのではないでしょうか。大自然はわたしたちにいろんなことを教えてくれています。
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