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追悼 教皇フランシスコ

深い悲しみに包まれながら、わたしたちは敬愛する教皇フランシスコのご逝去を悼みます。教皇フランシスコは、2013年から2025年にかけて、神の民の真の牧者として福音宣教にその身を捧げました。そのリーダーシップは単なる教会の統率にとどまらず、現代の課題に信仰と道徳の光をもたらし、広く世界の人々にも大きな影響を与えました。

2013年3月13日、教皇に選出された際、「貧しい人々を忘れないでください」という言葉を心に刻み、貧しい人々や自然を愛し、平和を求めたアッシジの聖フランシスコにちなんで「フランシスコ」という名を選ばれました。その名の通り、教皇は謙虚で質素なライフスタイルを貫き、貧しい人々や社会的な弱者や疎外された人々に深い共感を示し、その権利を擁護し、誰一人として排除しないという強いメッセージを発信し続けました。移民や難民など社会の周縁に置かれた人々に対する深い愛を示し続けられました。

また、教皇は、環境保護や気候変動問題にも積極的に取り組まれ、回勅「ラウダート・シ」を通じて、被造物の保護を訴えるとともに、環境、経済、そして貧困問題が深く結びついていることを強調し、エコロジカルな回心を促し、持続可能な未来への共通の責任を呼びかけました。

2019年に訪日された際は、長崎、広島、東京において多くの方々と出会う中で、世界に向けて核兵器廃絶による平和の確立と、すべてのいのちを守ることの重要性を力強く発信されました。

教皇フランシスコが掲げたシノドス的な共同体への変革のビジョンは、「出会いの文化」を基盤とし、宗教的、文化的、そして社会的な分断を乗り越えるための一致への呼びかけを貫かれました。

ペトロの後継者として、最後まで教会を導かれた教皇フランシスコの遺産は、これからも永遠に受け継がれていくことでしょう。わたしたちは、教皇フランシスコに心からの感謝を捧げるとともに、永遠の安息を祈りましょう。

カトリック京都司教 パウロ 大塚喜直 / 京都教区時報 2025年6月号より

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